第37話
最後に「近いうちお伺いするね」と学年主任に言われて、私は「来る時は事前にちゃんと言ってください」と急に家に来たことのある水口への嫌味も含めてそう言うとすぐに応接室を後にした。
本当に面倒なことになった。
お母さんには…
…いいか。
わざわざ言わなくても。
私は置いたままにしていた鞄を取りに教室へ向かった。
教室にはもう誰もいなかった。
一人を除いては。
「何やってんの?」
教室に入った私は、私の席に座るハルタに近付きながら声をかけた。
天井を見上げる形でだらしなく座っていたハルタは、私の声に顔をこちらに向けた。
「何って…待ってたんじゃん」
「へぇ」
私はハルタの言葉を気にせずに机の隣にかけてあった鞄を手に取った。
昨日得た九千円は…
うん、ちゃんとある。
良かった。
「おいおいおいおい、」
そう言って両肘を机に置いたハルタに、
「え?」
私は鞄の中からハルタへと視線を移した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます