第28話
部屋に来て早々に始まるその行為。
その男はもはやヤるためだけに来ましたという感じで、その当たり前のような雰囲気にすらも吐き気がする。
ドライブスルーかのごとく事が終われば帰っていく男達。
お金を貰っているとはいえ、お母さんは男達にかなり都合よく体を使われていると思う。
哀れな元少女は、一体どこまでいけば気が済むのか。
私は自分の部屋に入って布団をかぶると、すぐに目を閉じて耳を塞いだ。
てかあの担任、マジでバカじゃん。
二十五、六の男に“お父様ですか?”って。
本当どいつもこいつもバカばっか。
「———…聞いてる?」
担任のその声に、担任がうちに来たあの日を思い出していた私は一気に現実へ引き戻された。
「え?」
「いやだからね、面談。やらないわけにはいかないの。お母さん、忙しいかな?」
担任の水口もあの日のことを思い出したのか、遠慮がちな目で私を見てきた。
「…まぁ…」
あんな姿のお母さんを見られておいて“忙しい”とも言いにくい私は、曖昧な返事をして水口から視線を外した。
「うーん…どうしようか…」
私達の間には微妙に重い空気が流れた。
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