第24話
玄関を開けた時、その隙間から「ごめんね、急に。渡したいプリントがあって」とか言いながら必死に家の中を覗き見ようと頑張ってたし。
受け取ったプリントを見てみると、近くの海岸で行われる清掃ボランティアの募集の案内だった。
は?
渡したいプリントってこれ?
嘘をつくにしてもさすがにこれは無理があるでしょ。
それでも私生活に足を踏み込まれたくない私は、必要最低限しかドアの隙間を開けなかった。
ウザい。
キモい。
帰れ。
「お母さんに挨拶したいから、呼んでくれるかな?」
「やめたほうがいいよ」
「えっ?何で!?私、まだ担任として一度もご挨拶したことないからさぁ…!」
その言葉に私が更に拒否をしようとしたその時、後ろからペタペタと裸足で床を歩く足音がした。
「何やってんの」
「あっ!お母様ですか!?」
お母さんの声が聞こえた担任は、すぐに数センチしか開いていなかったドアに両手を挟んで思いっきり引っ張った。
お母さんに声をかけられたことで一瞬気を抜いてしまった私は、担任がそのままドアを開けるのを許してしまった。
「私、エリカさんの担……!」
「……」
「……」
ほら。
やめとけって言ったじゃん。
担任はお母さんを見て、目を丸くして驚いた顔をした。
それもそうだろう。
その時のお母さんはパンツしか履いてなかった。
でも、交尾合戦中じゃないだけまだマシだった。
それに男も数時間前に帰ったとこだったし。
それもラッキーだったと思うべきところだろうか。
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