第20話
でも、私は汚くなったけれど確かに成長はしている。
あの時は分からなかったけれど、十六になった今、私にも分かることだってある。
あの雨の日、学校から帰った私にお母さんが開口一番に言った「エリカ、最後に生理きたのいつ?」は、中出ししてもいいかどうかだったんだね。
私が「終わったばかりだよ」なんて言うから、
だからあの男、ゴムもつけずに遠慮なく挿入して私の中にドクドクと欲を吐き出したんだ。
お母さんの部屋の布団には所々変なシミがあって、その時私のそこから流れ出てきた男の体液がまた新しいシミを作った。
男が帰ったのが分かって体を起こした私に、お母さんは「自分の部屋に戻れ」と言った。
「お金は?」
「は?」
「お金は貰えないの?」
「貰ったけどなに?」
お母さんはうざったそうに私を見てそう言った。
“それ、私のお金じゃないの?”
口をついて出そうになったその言葉は、お母さんがあまりにも怖い顔で私を睨むから言えなかった。
私、お母さんに売られたんだ…
お母さんは一体いくらで処女の汚れなき私を売ってしまったのだろう。
それもあんな汚いクソ豚野郎に。
そこに本人の意思はないわけ?
私本人はすごく嫌なんだけど…
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