第19話

行為が終わったという安心感からなのか、私は目を開けて耳を塞ぐ手をほんの少し緩めて黙っていた。


だから、しっかり聞こえた。



「処女だったんだからちょっとは上乗せしてよ」



お母さんの声だった。






お母さんはどうして私にこんなことをさせたのかだとか、


生理で自分ができないなら何で男を呼んだのかだとか、


疑問に思うことは沢山あったけれど、どれも幼い私の頭では考えが追いつかなくて結局答えなんて出せはしなかった。



それから私のソコは何度綺麗に洗っても汚く感じてしまう。


もうその汚さは全身まで広がっていることだろう。



それなのにあのクソ豚野郎は私を抱くたびに


「どんどん綺麗になってってるぞ」


と言った。



嘘でしょ?


どこが?



死ねよ、クソ豚野郎。

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