第13話

あの高校生、大学生の彼女がいるのに五百円で私と交尾合戦しようとしてるのか。


恋愛感情と性欲は別なんだ。



へぇ…




女は得だよね、本当。


お母さんみたいに家に帰る手段も分からないようなバカでも、体を売ればお金になるんだから。



そこに需要があるなんて誰がはじめに気がついたんだろう。


それに加えて私は高校生だ。


高校の制服を着ていれば、なんだか自分にものすごい付加価値がついたような気分になる。



全然そんなことはないんだけど。


むしろ汚いくらいなんだけどね、本当の私。



これは…うーん、そうだな。



JKマジックとでも名付けようか。



何の音も発さないイヤホンを両耳に引っ掛けたまま、私は忙しなく流れる窓の外の景色を眺めていた。




“マジで五百円でヤラせてくれんのかな?”



どこでそんな噂が流れたんだか。



私、お母さんみたいに体と引き換えにお金を受け取ったことなんて一度もないのに。



でも…



火のないところに煙はたたないって言うからね。





そういえばお母さん、あの交尾合戦にいくらくらいのお金を貰ってるんだろう。

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