第6話
意味はないけどなんとなく目も閉じて。
「あーーーー……」
耳って便利だな。
こうやって塞げば何も聞こえないんだもん。
でもそれで言うなら目も同じくらい便利だよね。
見たくないものは目を閉じれば見えなくなるんだもんね。
でも、頭だけはどうしようもないね。
生きている限り、考え続けなければならない。
寝たらそりゃ何も考えられないけどさ、眠たくない時は寝たくても寝られないから。
どいつもこいつも使えない。
本当お母さん、なんで死んでくれなかったんだろう。
お父さんは今どこで何をしているんだろう。
…と、その時、
布団に入って両耳を塞いでいた私の布団をベリッと誰かが引き剥がした。
「———…!」
目を閉じていた私は、びっくりして両耳を塞いだままに目を開けた。
「うっせぇんだよ!!!」
…百均の耳栓、本当に使えない。
「……」
私は黙ったまま、私の前に立っていた裸の男を見上げた。
男のアレは大きく反り返っていて、先の方はいやらしく濡れていた。
お母さんのソコに入っていたからなのか、お母さんが舐めていたからなのか…
どちらにせよ、良い感じのところで私の声は二人の邪魔をしてしまったらしい。
隣の部屋の交尾合戦の邪魔をするほどのボリュームを出していたつもりなかったんだけど、無意識で声が大きくなってたのかな。
耳を塞いでいたから、自分がどれくらいの大きさの声を出していたのかが分からなくなってたんだ…
とっておきにも欠点はあるものなんだね。
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