第49話

「マコちゃんのラブラブモードが突入する相手はホノカだったんだよ…」


『…はっ!?』





それから私は、昨日の経緯を全てカナやんに話した。



『なんだよ、それ!!マジうぜぇじゃん!!二人揃って地獄に堕ちろ!!』


カナやんは、しっかり私の味方をしてくれた。


カナやんの口から出てくる言葉はかなり言葉遣いの悪いものばかりだったけれど、その全てが私を思って本気で怒ってくれているんだと思えば私は少しだけ救われた。



「…で、昨日勢いで家を出たから…泊めて欲しいなって」


『あー…』


さっきまでの勢いが嘘のように失速したカナやんの声に、私はまた一気に不安になった。



…あれ、


カナやんならむしろ歓迎してくれると思ったんだけどな。



カナやんには今彼氏はいない。


それに頻繁に私達に「泊まりにおいでよー!うちで女子会しよー!」と誘ってくるから、だからきっとユラちゃんも昨日“最悪カナやんなら泊めてくれると思うよ”と言ったんだろう。



でも、私はすごく運が悪かったようだ。



『泊めてあげたいんだけどさぁ、私今日本にいないんだよね』


「えっ…!!??」


『今一人で旅行しててさぁ…昨日から』


「ちなみに今どちらに…?」


『バリ島!!』


バリ島…ってどこだろう…


たしか年中暖かいとこだったよな…



綺麗な海で一人旅行を楽しむカナやんが目に浮かぶわ…



『だから帰るの明後日なんだよ、本当ごめん!!弾丸で飛んだから言うタイミング逃したわ!!』


「いや、全然、カナやんが謝る必要なんて全くないんだけど…そうか…バリ島…さぞ楽しんでいることでしょう」


『うん!!マジで海とか超綺麗!!あとどこ見てもイケメンしかいない!!』



私の状況をお構いなしにまたテンションの上がったカナやんに、私はなぜだかまた少し救われた気がした。


この子はいつでもこうでなくっちゃな。

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