第47話
なんだかよく分からない流れで三時間パックにしたらしい私は、早速携帯に受付で借りた充電器を挿してシャワールームへ向かった。
それにすらもタオルやシャンプー、ボディーソープに歯磨きセットまでが付いてきて、私はシャワーを浴びながらも一人でもうこれ以上ないほどの感動の渦に飲まれていた。
漫喫、最高…!!!
それから自分のブースに戻ってみれば、まだ充電器を挿して間もないけれど携帯はしっかり復活していた。
携帯の画面が光るこの有り難さよ…!!
もう今の私なら何にでも感動できるかもしれない。
それから私はポップコーンとアイスクリームとドリンクバーでジュースやコーヒーをしこたま取ってきて、一人で漫喫時間を存分に味わった。
それでも時間があったから、私は普段読むこともない少女漫画を取ってきて呑気にそれを読みキュンキュンしていた。
マコちゃんって恋愛系はドラマとか映画も全般好まなかったからな。
フィクションの恋愛とか随分久しぶりな気がするわ。
これだけ楽しいなら、一人も案外悪くないのかもしれない。
…と思いつつも私が携帯の電源を入れた瞬間ラインを確認したのは、他でもないマコちゃんから何かメッセージが来てやしないかという期待に近い感情からだったとは思う。
あの時間にこんな服装で家を出た私を、やっぱり彼は全く心配ではなかったらしい。
ラインなんてもちろん来てはいなかった。
覚悟はしていたけれど、それには少しだけヘコんだ。
それでもこの幸せ空間が私の心を癒してくれたから、私はなんとか気持ちを切り替えて体を休めることができた。
このインターネットのブースは静かで他のお客さんがどれくらい入っているのかはよく分からなかった。
カナやんに電話…あ、あとにするか。
とりあえず今は少女漫画読んでたらふくコーヒー飲んで癒されよう…
———…「ありがとうございましたー」
「やっちまった…」
シャワーと充電器のこと以外何も考えずに入店していた私は、帰りのお会計で思わず固まった。
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