第13話
13
相葉さんは自分の身体に巻きついた俺の腕にそっと触れる。
キュッと引き寄せられ、腕に相葉さんの冷たい唇が触れた。
俺は胸がギュウッと苦しくなって、相葉さんに更に強く抱きついた。首筋に顔を埋める。
『駄目だよ…身体に障るから…さぁ…布団へ』
「…一緒に…」
『ん?』
「一緒に…横になってくれませんか…側に居て欲しいんです。」
彼は振り返って、俺の浴衣の襟をゆっくり直した。
心の中では…
浴衣を解かれる事を
期待していたんだ。
俺は…どうかしてるのかな…
でも、好きな人と触れ合いたいと思う事は…
自然なことだよね…。
俺は俯いたまま渇いた喉に唾が流れるのを感じていた。
頰に長い指が触れて、相葉さんがゆっくり俺を上向かせる。
細めた瞳が俺を捕らえて…
唇が近づいて…
触れると、舌先が差し込まれ…
しっとり俺の舌に絡みついてくる。
そのまま身体を布団の上に倒され、相葉さんが覆い被さった状態で口づけが続いた。
離れた唇が囁く。
『和くん…俺はそんなに出来た男じゃないからね…』
その言葉が何を意味しているかは分かっていた。
だから俺は
ゆっくり頷いて、見下ろしてくる相葉さんの首に腕を伸ばして引き寄せたんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます