第28話
28
午後の授業を終えて、寮に帰ってきた。
1日に幾つも色んな事が巻き起こって、正直酷い疲労感だった。
鞄をフローリングに投げ出してベッドに身体を沈めた。
瑞季はデスクに鞄を置いて教科書を出したりしている。
二人きりの空間は、最早俺たちにとっちゃ当たり前だったのに…デスクの前に立つ瑞季の背中を見てドキドキしていた。
クルッとこっちに振り返る瑞季に慌てて俺は何でもないように頭の下で手を組んでみせた。
ついでに足も組んでみる。
目を閉じていた俺は凄く近くに瑞季の気配を感じてゆっくり瞼を開いた。
ギシッと音を立てて瑞季が俺に覆い被さってくる。
『み、瑞季?』
「…緊張してんだろ?柄にもなく」
クスクス笑う瑞季にムッとして体勢を入れ替えて組み敷いた。
『してねぇわ!!』
「手首…いてぇよ」
瑞季が俺の押さえつけた手首を見上げる。
『わっ!悪りぃ!大丈夫か?…』
俺は手を急いで離す。
瑞季はニヤッと笑って俺の首に腕を回してきた。
グイッと引き寄せられて、間近に瑞季の顔が迫る。
「孝也の顔…すげぇ…好き」
『えっ?ぁ…いっ!嫌味かよ!そんなハイスペックな顔面してる奴に言われたってな!』
瑞季が俺のネクタイを唇で挟んだ。
歯を立てて器用に引っ張る。
シュ…シュル…
気ごちない布の擦れる音…
赤く熟れた林檎を齧るようにして…
俺もソッと瑞季のネクタイに手を掛けた。
お互いのネクタイが解かれた瞬間…
もう…頭は真っ白で…昼間に自分が付けた瑞季の首筋のキスマークを見て、気が昂ぶってしまう。
カッターシャツのボタンを外しながら、キスをした。
何度も何度も舌が絡み合い、お互いを奪い合おうとする。
「た…かや…好きだ…好きだよ…」
『俺だって…』
唇は首筋を辿り、鎖骨を舐めた。
シャツを開いて…小さな胸の尖りに指先で触れる。
反対側を甘噛みして舌先で転がすように愛撫する。
女の身体じゃないのに…怖いぐらい興奮して…止められなかった。
「ぅ…んっ…ハァ…ぁっ…」
手の甲を口に押し当てながら必死に声を殺す瑞季に欲情していた。
もう一度唇にキスをする。
片方の手で…瑞季のベルトを緩めた。
カチャカチャと金具の音がリアルに響いて、心臓がドンドンと跳ねる。
スラックスを下着ごと下ろそうとしたら、瑞季が自ら腰を上げて、恥じらったように呟いた。
「…ハァ…ハァ…俺…」
『うん…大丈夫…おまえだけじゃないよ…』
瑞季が泣き出しそうな顔をするから、手を握って俺の熱に触れさせた。
瑞季の白い頰が赤く染まり俺を見上げてくる。
「孝也…凄い…勃ってる…俺でちゃんと…興奮してる…」
『当たり前だろ…こんなエロい顔して…マジで俺以外に見せたら許さねぇかんな』
俺は瑞季の反り勃った熱を握り込んだ。
ゆっくり自分にするように扱き上げる。
「…っ!!はぁっ!んっ!あぁっ!孝也っ!たかっやっ!!」
瑞季はあっという間に果てた。
多分ここに入ってから一度も抜いてないからだろう。
「俺…出しちゃった…」
『…うん…すげぇ…エロい…』
俺は白濁を纏った手を瑞季に見せた。
指先をくっつけてゆっくり開くと、白い粘着質な液体が糸を引いた。
「やめっ!!はずいだろっ!バカっ!」
ドンと俺を押すからベッドに尻もちをつく。
瑞季はその脚の間に入って来た。
俺のスラックスを脱がして…
『みっ!瑞季っ!バカッ!くぅっ!…はぁっ…ちょっ…』
瑞季は俺の熱を口に咥え込んだ。
舌を絡めて指先をリング状にすると、根元に絡めて上下させてくる。
思わず瑞季の後頭部に指先を沈めた。
『ハァッ…ハァッ…くっ…きっもちいい…ダメだっ!瑞季っ!離せっ!出るっ!出るからっ!」
ジュル ジュルッと音を立てて吸い付いてくる。
溜め込んだ唾液に絡めて舌先が先端の割れ目を意地悪になぞった。
ギュッと目を閉じて身体に力が入る。
やべぇっ!もうっ!無理だ!!
ドクンドクンと解放される快楽が背中をゾクゾクさせた。
それから正気に戻って瑞季の頰を包んで見下ろす。
『みっ瑞季…おまっ!飲んだのか?!』
「へへ…美味くはねぇな…でも…孝也のだから…もっと欲しい」
ペロッと口から垂らした白濁を舐めとると唇を重ねてきた。
瑞季の口内に残った自分の味が微かに広がる。
なのに…俺は冷めるどころか、興奮でおかしくなりそうだった。
『なぁ…俺…』
「…うん…」
瑞季の膝を掴んだ。
ゆっくり左右に開いてソコをゆびの腹で撫でてみる。
ビクンと瑞季の身体が跳ねて俺にしがみついて来た。
このままじゃ、入んねぇ….
『ちょっと…待って』
俺はデスクの引き出しに入れていたワセリンを取り出した。
「なっ!何でそんなもん持ってんだよ!」
『あぁ…リップクリームだよ。口ガサガサだった時、ねぇちゃんが買って来てくれたんだ。多分…ローションとかのが良いんだろうけど…』
瑞季が理由を知って身体をベッドに力なく倒す。
『バカだな…何心配してんだよ…俺だって…初めてだよ』
「…おまえはモテるから…分かんないじゃん…」
『そういうのさ…惚れた欲目つーんだよ、俺はモテないし…おまえが居たら良い』
ギシッとベッドを軋ませ覆い被さった。
唇を塞ぎながら、膝裏に手を掛ける。
片足を持ち上げて、クリームに浸した指を…ゆっくり沈めた。
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