第95話
「“なんとなく”って?食欲がないの?体調が悪いの?大丈夫?」
こちらに答える隙を与えないくらいに次々と質問を投げてくる叔父さんに、私の中にはじわじわと腹立たしさが芽生えた。
うざい…
背を向けて座ったまま何も言わなくなった私に、叔父さんはまたすぐに口を開いた。
「それなら今日は学校休みな?無理してまで行くことないよ?」
「……」
「叔母さんに言って病院にも連れて行ってもらうと良いよ。体がしんどいなら点滴すればすぐ楽になるからね」
…もう、マジでウザい…
お前は私の体を心配しているんじゃなくて“弱っている女子高生”にウハウハしてるだけだろうが…
てか弱ってもないし。
「………そういうんじゃないから」
やっと発した私の言葉は絞り出すように小さくて、でもどこか力強かった。
「…うん?」
「だからそういうんじゃないんだってば…!!」
積りに積もった不快感は、突然私の中で大きく膨らんで爆発した。
「…マ」
「私だって体は元気でも朝ごはんは食べられない日だってあるよ!!そういう気分なの!!仕方ないじゃん!!」
仕方ないんだよ、
何もかも。
「………あぁ、」
叔父さんの“なるほど”みたいな相槌が後ろから聞こえてきたからもう放っておこうと思い立ち上がろうと腰を上げた私だったけれど、お尻が浮いたその瞬間背後から両手が伸びてきてその叔父さんの右手は私のおでこに、左手は私の首を掴むようにして私はもう一度座らされ動きを封じられた。
「っ、……!!」
あまりに突然のことで、私は思わずそのまま固まった。
なにっ、これ…
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