第21話

「……っ、はっ…あっ……イクッ…!!」



私の腰がガクンと揺れて果てると同時に、川口はスッと私のナカから指を抜いた。





さっきの切なそうな顔を思い出せば何となくまだ私が好きなのかと思えなくもないけれど、それだって今ヤりたいからそんな顔をしただけかもしれないし結局のところは何も分からないままだ。


それを確認したところで私は川口の気持ちには今も応えられないだろうから、やっぱりこれは聞かない方がいいんだと思う。




———…キーンコーンカーンコーン…



荒い息もそのままに私が川口のベルトに手をかけたその時、ホームルーム開始を知らせるチャイムが鳴った。



ズボンとパンツを少しだけずらすと、私はすぐに川口のソレを優しく手で掴んで顔を近付けた。



でも、



「おい、マジで時間ねぇって」



咥えようとしていた私に、川口はゴムを差し出していた。



確かに時間はない。


朝のホームルームは十分で終わるし、それが終われば一限が体育の人達がゾロゾロとこの体育館に集まってくるだろう。



でも、このヒリヒリするような背徳感はたまらなくセックスを煽ってくる。



より気持ち良く、より気持ち良く、…と。



「分かってるからちょっと待ってよ」


私が川口のソレを口に含んで数回出し入れしたのちに先端をじゅるっと少し吸ってから口を離すと、川口からは「くっ」と声が漏れた。


それからすぐに、ずっとこちらに差し出されていたゴムを受け取って私は手際良くそれを被せた。



もうすでにほぼ仰向け状態の川口に跨って「挿れるよ」と言えば、川口は素直に「おう」と返事をした。


それから私はパンツを脱ぎもせず、右手の指でグイッとそれをずらすとそのまま川口の腰に自分の腰を沈めた。



何度体を重ねてもたまらない繋がる瞬間の気持ち良さに、お互い「はぁっ、」と感嘆の息を漏らした。



川口のお腹に手を置いてゆっくり腰を振れば、まだ敏感な私のナカには更なる快感がゆらゆらとすぐさま姿を現した。



「なぁマリ、」


「っ、んっ?」


「そういえば冬服への移行っていつだっけ?」


私は川口のその言葉に、腰の動きを緩めた。


「さぁ…てかそれ今聞く?」


ゆっくりとではあるけれど、私は依然腰を振ってその気持ち良さを維持させていた。



「冬服になると脱がすの面倒じゃん」


「そこかい。てか大して脱がしもしないくせに」



そう言って私がフッと笑えば、川口もつられるように笑いながら上体を起こして私の腰に腕を回した。



「なぁ、」


「上下に動いて欲しいんでしょ?」


「…よく分かってるじゃん」


私の腰を抱き寄せる川口の肩に両手を置くと、私はすぐに上下に動いて腰を打ち落とした。


この動きは結構疲れるからあんまり好きじゃない。


でも、川口がこれに弱いことは結構前から知っている。



「っ、…やべっ…出そうっ…」


「まだダメ」


「Sかよっ…」


「あんたはMだね。ダメって言った瞬間すごい硬くなったよ」



それからも川口は息のような声を何度も漏らしながら、私に抱きつき必死に耐えていた。


イクのを我慢しているその姿に私は何故か毎回ゾクゾクしてしまう。


だから私もしんどかったけれど必死に動いた。




その時、



———…キーンコーンカーンコーン…



ホームルーム終了のチャイムが鳴った。




「なぁ、ホームルーム終わったぞ」


「うん、だね」


「マジでヤベェよ」


「分かってるよ」


私はゆっくりと川口の胸を押してその体を押し倒した。

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