第7話
こんなネットに出回っている卑猥な動画や画像と一緒に保存されている自分の写真を見て、“姪っ子の私を実の娘のように…”なんてことは思えるわけがなかった。
私はそっとそのフォルダを閉じてパソコンの電源を切ると、そのまま叔父さんの書斎を後にした。
その日の夜、私が自分の部屋で机に向かっていると仕事から帰ってきた叔父さんが自分の書斎に入って行くのが足音で分かった。
でもそれから一分も経たないうちに慌てて出てきた叔父さんの足音は、そのまま私の元へとやってきた。
———…コンコンコンコンコンッ!!!
きたきた…
「マリッ…!?」
あれ…
てか電源もちゃんと切ったはずなのに、どうしてバレたんだろう。
私の頭は案外冷静だった。
「はーい。なに?どうし」
———…ガチャッ!!
私の言葉も最後まで聞かずにドアを開けた叔父さんを机に座っていた私が振り返ると、叔父さんの顔はとても焦っていた。
「…パソコン触った!?」
触ったも何も、全部見ましたけど。
あんたのやってること立派な犯罪だよ?
頭ではそんな蔑むような言葉が次々に浮かんできたけれど、私はそのどれも口にしようとは思わなかった。
私は今ここでこの家を追い出されるわけにはいかない。
たった十六の私は行くところなんてどこにもないんだから。
「あ、うん。夏休みの課題でちょっと調べものしたくて」
てかさ、そもそもなんでバレたの?
カメラがあるとか?
…いやいや、さすがにそれはないか。
それがあるならもう私があのフォルダを全て見たことだってバレてるはずだし。
「ネットで調べものなんて今は携帯でもできるでしょ…」
叔父さんを見る限りそこまでバレているようには見えない。
「あ、そっか!ごめん、もう勝手に入ったりしないから!」
私がいつもの様子でそう言って机に向き直れば、
「……何か見た…?」
叔父さんは少し心配そうに恐る恐る私にそう聞いた。
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