第71話

そしてそれと同時にふと頭に浮かび上がった考えに、私は我ながら少し感動した。




そうだ…



ニシヤマくんが昔の私のことを覚えていないなら、


あの高校時代の私を知らないなら、




今から出会えばいいんだ…今の私と。






私はこの人のことを何も知らない、これが初対面。



そうすれば私が昔の話をして“覚えていない”と言われて傷付く心配もない。


過去を知られて恥ずかしくなることもない。




そうなればニシヤマくんとの距離を近付けられる可能性はゼロじゃないはずだ。



なんで私は今まで“過去に出会っていた私”で挑もうとしていたんだろう。





彼女がどうとか、そんなことも今は後回しだ。




このラストチャンスを逃すわけにはいかない。



















本当に、一体私のどこに


こんな勇気が眠っていたんだろう。




もう迷いも怖さもなくなった私は、これから先の未来に少しだけワクワクした。



これが今日合コンに参加したおかげなのだとするならば、私はやっぱりユマちゃんに感謝しなきゃいけない。

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