第71話
そしてそれと同時にふと頭に浮かび上がった考えに、私は我ながら少し感動した。
そうだ…
ニシヤマくんが昔の私のことを覚えていないなら、
あの高校時代の私を知らないなら、
今から出会えばいいんだ…今の私と。
私はこの人のことを何も知らない、これが初対面。
そうすれば私が昔の話をして“覚えていない”と言われて傷付く心配もない。
過去を知られて恥ずかしくなることもない。
そうなればニシヤマくんとの距離を近付けられる可能性はゼロじゃないはずだ。
なんで私は今まで“過去に出会っていた私”で挑もうとしていたんだろう。
彼女がどうとか、そんなことも今は後回しだ。
このラストチャンスを逃すわけにはいかない。
本当に、一体私のどこに
こんな勇気が眠っていたんだろう。
もう迷いも怖さもなくなった私は、これから先の未来に少しだけワクワクした。
これが今日合コンに参加したおかげなのだとするならば、私はやっぱりユマちゃんに感謝しなきゃいけない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます