第61話
それからの時間は一人なのになぜかあっという間で、私はこの場にいた誰よりもしっかり飲んでしっかり食べた。
これじゃあ本当に食事しにきただけだな。
男性陣がいくらずつ支払ったのかは分からないけれど、女性陣の会計は一人三千円だった。
これが高いのか安いのかはいまいち分からないけれど、私はお金を払えることに心から安心した。
パウダールームで会ったあの人達の会話からして、中には男の人が全額支払う合コンもあるみたいだから。
楽しませてもいない、誰よりも飲み食いしている私が払わないのはさすがにマズい。
会計が終わって店を出ると、繁華街は来た時よりも少しだけ人が少なくなっていた。
最後にその場でみんなで連絡先を交換し合った。
私に対するついで感は否めなかったけれど、空気を乱すわけにもいかない私は黙って聞かれるがままに連絡先を教えた。
…連絡なんてしてこないくせに。
まぁそれはお互い様か。
まぁでもどちらにせよ、これはちょっとすごい。
まさか私の携帯に男の人の連絡先が入る日が来るなんて…
「じゃあ私達先帰るね」
ユマちゃんのお友達二人はみんなに「ありがとう」と言うと先に帰って行った。
そのあとを追うように、“ケンちゃん”以外の男三人が「俺らも帰るわ」と言って私達から離れて行った。
残るは“ケンちゃん”とユマちゃんと、私…
やっと終わった…
でも合コンの終わりってこんなあっけないものなんだ。
“もう一軒行こう”とかの流れになったらどうしようかと思っていたから良かった。
でもまぁそれを学んだところでもう私は二度と合コンなんて行かないだろうけど。
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