第48話
「私達には時間がないんだよ!?先延ばしにすればする分どんどん老いていくの!この今が一番若い自分なんだから!!」
「…っ、…」
「先延ばしにするメリットなんて一個もないでしょうが」
ユマちゃんはずっと手元のクロワッサンの生地の方を見ながらも、私に的確な言葉を投げた。
私が何も言えずに黙って目の前のたまごサラダを食パンに乗せていると、いつの間にかユマちゃんはクロワッサンの作業を終えてこちらを見ていた。
「大丈夫。私もちゃんといるから、気楽に行こうよ。合コンなんて言ってみればただの食事会じゃん?」
「……」
“じゃん?”と言われても…
分かんないよ、合コンなんか行ったこともないのに…
“その男達“今日の女はレベル低かった”って言ってたらしくって”
私は前にパウダールームで会った女の人が言っていた言葉を思い出した。
…まぁいいか。
私慣れてるし、そういう扱い受けるの。
あの女の人はそう言われたと知って怒っていたけれど、私はきっとそれを言われていたと知ったってきっと怒りはしない。
むしろ謝ると思う。
こんな私が合コンなんかに参加してごめんなさい。
時間を無駄にしてすみません。
…みたいな。
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