第40話

「顔は!?格好良い!?」


「格好良い…と、思う」


「優しい!?」


「優しい…と、思う」




格好良いのか格好良くないのか、


優しいのか優しくないのか、



私のそれらの質問の答え方は同じだったけれど、意味は全く違う。



私からしてみれば見た目は格好良い。



でも、優しいかどうかは“知らない”。




「なんだよ、焦らすなぁー。早く教えてよっ」


ユマちゃんは少しふくれながらも楽しそうで、その表情はとてもワクワクしていた。


「てかいつの間にそんな人と出会ってたのー?全然聞いてないよぉー!!」


「出会ってない」




「…は?」


今度こそ、ユマちゃんは正真正銘固まった。



「…まだ出会ってない。これから出会うことがあるかどうかも分からない」








そう、今の私達は赤の他人だから。








「…二次元とかじゃないよね?」


「いや、それは違う」



ユマちゃんは「あぁ、良かった…」と小さな声で呟いた。








…ユマちゃんになら言ってもいいかな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る