第13話
私の予想は的中した。
スッとドアが開けられると同時に、鏡へ身を乗り出していた私は咄嗟に椅子に座り直した。
「もうありえないですよねぇーっ」
「たしかにないわぁ」
「男の武勇伝とかマジ世界中どこ探したって需要ないですよね」
私のいたパウダールームに入ってきたのは私とは対照的なすごく綺麗な三人組だった。
それにその会話からしても、私とは違う世界の人達で間違いなさそうだ。
その三人は私から離れた席に並んで座ると、早速化粧を直し始めた。
朝一で化粧直しか…すごいな…
「で、一番驚いたのが帰りですよ!」
「帰り?」
「どした、どした?」
私は無意識にファンデーションを持ったまま、俯いて聞き耳を立てていた。
「“今日は楽しませてもらったから、女の子は一人二千円でいいよ”とか言ってきたんですよ!?合コンで金要求されたのとか初めてなんですけど!!」
「うっわ、ウケる」
「クソ確定だね」
へぇ…
合コンって大抵は男が支払うものなんだ…
「で?どうしたの?」
「いや、そりゃあ払いましたよー。でもあとで幹事の子に聞いたんですけど、その男達“今日の女はレベル低かった”って言ってたらしくって」
「うっわ、マジか!」
えー…それはありえないよ。
だってこんなに可愛くて綺麗な人なのに、それでレベルが低いなんてそれを言った男は今までどんな人を相手に合コンしてきたの?
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