第7話

でも、違った。


やっぱり私は運が良かった。










半年前、私たちは再会した。



いや、その言い方は語弊があるかな。


再会を果たしたと思っているのは私だけだし。




それに、




偶然見かけた彼は私の記憶の彼とはまるで違っていた。





高校卒業以来初めて目にした彼は、煙草を咥えながら公園のベンチでだらしなく座っていて、ぼんやりと空を見上げていた。



服はボロボロだし、髪もボサボサだし、


何より一人だったし。




でも私にはすぐに分かったよ。


人とは少し違った空気はあの頃と何も変わっていなかったから。


私だってダテに三年間も遠くから見つめていたわけじゃない。



彼を見つけたあの瞬間のことは半年経った今でもはっきりと覚えている。


全身が心臓になったみたいにドクドクと脈を打って、まるで電気が走ったみたいに脳内がクリアになった。




そのあとで分かったことは、彼は私の住むアパートの前の橋の下で暮らしているということ。


簡単に言えば、たぶんホームレス。


昼間天気がいい時はいつも橋の下から出てきて土手沿いに座っている。




でも、ただのホームレスではないらしい。



彼はいつもそこでパソコンを開いているから。



それに彼の本質的なものは何も変わっていないのか、たまに彼の隣に女の人が座っているのを何度か見たことがある。



彼女かとも思ったけれど、どうだろう。


イチャついているのを見たことはないし、彼女だとするならその人の家に行けばいいのに行かないんだもんね。


きっと彼女じゃないんだ。




これは私の都合の良い解釈かもしれない。

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