彼はわたしの言葉に口元を緩め、そっと顔を近づけてくる。



「何?彩ちゃん」


聞こえなかったのか、視線を合わせて来た。



何度も同じことを聞けれる訳もなく…何でもないとゆう意を込めて小さく首を横に振る。



「…四季くん…?」


変わらない距離に、彼の名を絞り出した。



「今周りに人が居ないからしても良い?」


「…え…?」


「キス、していい?」



彼は知っている。



わたしが拒否をしないとゆう事を…



「四季くん…」



わたしは分かっている。



「彩ちゃん、シーっ…」



そんなわたしを見て、彼が楽しんでいる事を…






(完)

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