8
彼はわたしの言葉に口元を緩め、そっと顔を近づけてくる。
「何?彩ちゃん」
聞こえなかったのか、視線を合わせて来た。
何度も同じことを聞けれる訳もなく…何でもないとゆう意を込めて小さく首を横に振る。
「…四季くん…?」
変わらない距離に、彼の名を絞り出した。
「今周りに人が居ないからしても良い?」
「…え…?」
「キス、していい?」
彼は知っている。
わたしが拒否をしないとゆう事を…
「四季くん…」
わたしは分かっている。
「彩ちゃん、シーっ…」
そんなわたしを見て、彼が楽しんでいる事を…
(完)
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