7
「彩ちゃんは、言葉と態度が逆だよね」
彼の言葉に視線を上げた。
彼はわたしを見ていなかった。
「まだここ見る?」
辺りを見渡して、やっとわたしに視線を向けた。
「アザラシ見に行く?」
彼が見下ろしてくる。
「四季くん…」
「何?」
「お腹すいた…」
「え?」
「四季くんはお腹空いてない?」
「いや、アザラシ見ない?」
「見る…」
「じゃあアザラシ見てからご飯食べる?」
「うん…」
じゃあ行こう…と彼が動き出す。
「彩ちゃん」
「ん?」
「魚が睨んでたよ」
「え?」
「彩ちゃんがお腹空いたなんて言うから」
彼は大人で、いつも余裕綽々としているけど、時々笑って見せる表情は、まるで少年のよう…
「四季くん、楽しい?」
その顔を見ていたら、聞かずには居られなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます