彼の事で喜び、また悩まされ…今まで解いてきたどんな難題よりも、四季くんとゆう人が分かり難い。



深海魚の水槽が置かれているフロアは更に暗がりな雰囲気で、心無しか落ち着くのは何故だろうか…



球体の水槽を覗き込むと、対角線上に立つ彼の姿が歪んで見える。まるでわたしの心が歪んでいる様に思えて、水槽越しに見える彼から目を背けた。



「綺麗だね」



彼の発した言葉に、慌てて「ん?」と問いかける。



「水槽の光が彩ちゃんを照らしてる」



彼は、わたしを綺麗だと言っている。その目が、わたしを見て言っている。



体内の血液の循環が著しく、活発な動きを見せた。



わたしが照らされているとゆう事は、同じ場所に立つ彼もまた、照らされているとゆうのに…



あなたは自分がどれだけ綺麗に飾られているか、わかっていない…



「四季くん…」


「なに?」


「四季くんの方がキラキラしてるよ…」


「え?」



微笑まれると、わたしはまた…顔を伏せてしまうとゆうのに…



彼は気づいていない。



あなたの表情、声一つに、わたしがどれだけ魅了されているか…

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