第62話
「…ナエって結構胸あるよね…」
「平均よりはあるの…かなっ、」
「うん…だってしっかり揉み上げられるよ」
先輩はそう言いながらほら、と言わんばかりに私の胸を揉み上げて指先でその先端を摘んだりした。
「はっ、」と息を漏らしながらその刺激に腰をビクッと震えさせる私に、ショウジ先輩もたまらず後ろから私の腰に自分のそれを押し当てていた。
「———…挿れるね」
先輩が何でゴムを持っていたのかが少し気になりはしたものの、好きな人と一線を越えられる喜びに私は一瞬でそんなことはどうでも良くなった。
ぐぐっと押し広げるように私のナカに入ってきたショウジ先輩は、私の腰を掴んですぐに抽送を始めた。
立ったまま後ろから突かれるのはなんだかすごくいやらしくて、それでもしっかり刺激はあるから私はお尻を突き出すような格好のまま目の前の本棚にひたすらしがみついていた。
「っ、イクっ…」
先輩の小さな声が漏れると同時に、一段と激しくなっていた動きはピタリと止まった。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、…」
依然本棚にしがみつく私の頭上から、先輩の荒い息遣いが聞こえた。
「ナエ…すげぇ気持ち良かった…」
私はというと、それなりに刺激はあったものの気持ち良さとかまではよく分からなくて、それでも大好きな先輩が満足そうにそう言ってくれたから私はとにかく嬉しかった。
そのあとも先輩は私をもう一度抱きしめたりしてくれて、ものすごく優しかった。
ただ、やっぱり先輩はその先の関係にはっきりと言葉で触れることはなかった。
でも一線を超えたことがその先の関係を何よりも保証してくれている気がして、私に不安なんて何もなかった。
「なんか最近ニヤニヤしてない?」
教室で携帯を見つめる私に、いつものように私のところへ来ていたユキが少しだけ不服そうな顔で私を見ていた。
「そうかな?幸せを隠しきれていないのかもしれない」
「隠す気ないでしょ」
「うん、へへっ。今日も一緒に帰ろうってショウジ先輩が」
「そっかー。ついに二人はくっついちまったかー。ナエちゃん、目の前にこんないい男がいるのに、本当にショウジ先輩でいいの?」
「うん、いい!」
迷いなく即答した私に、ユキは「ひどっ!!」と言いつつも笑って「幸せそうで何よりだよ」と言った。
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