第18話
翌朝、私が先に起きて洗面台の前で顔を洗っていると部屋の方から「ふうっ」と煙草の煙を吐き出すような声が聞こえた。
脱衣所のドアを開けてそちらに顔を出せば、その直線上にある奥のベッドに腰掛けた彼は予想通り煙草を吸っていた。
「起きた?」
「ん…」
「意外に早かったね。昨日あれだけ飲んだしまだ起きないと思ってた」
それから彼は部屋の時計に目をやり、「まだ九時か…」と呟いた。
「二日酔いとかどう?」
「いや、平気だよ」
「そっか」
それから私は脱衣所のドアを開けたまま洗面台へと向き直り、歯ブラシを手に取った。
その直後、トントンとこちらに歩いてくる彼の足音が聞こえた。
ガラッ!
まだ完全に開ききっていなかったらしい脱衣所のドアを開けてそれにもたれかかるようにこちらに顔を出した彼は、少し笑っていた。
「…顔洗う?」
「あとでいいよ」
「そっか」
私は彼からの視線を気にせず、鏡に映る自分を見つめながら歯を磨いていた。
でもすぐに彼は私の背後に回って私の胸を両手で掴んだ。
「っ、ちょっ、歯磨き中!」
「俺さ、昨日なんかすげぇ余計なことベラベラ言った気がするんだけど」
「…ハルミのこと?」
「あー…やっぱ言ったんだ、俺…」
彼はそう言いながら背後から私のズボンに右手を入れて、私の足の間を下着の上から指でなぞった。
「っ、」
「ごめんね、つまんない話聞かせて」
左手はいつのまにか着ていたTシャツの中に入っていて、私の左胸の先端を直接摘んで転がしていた。
「っ、あっ…はっ」
足に力が入らなくなって思わず洗面台に両手をついた私の右手から、持っていた歯ブラシがカランッ!と落ちた。
「ねぇ、待っ…んっ…!!」
彼から与えられる刺激に背中がゾワゾワし始めた頃、彼は右手をスッと私のズボンから抜いたかと思うと洗面台に転がっていた今私の使っていた歯ブラシを掴んで自分の歯をガシガシと磨いた。
それからすぐにまた洗面台に投げ捨てるようにその歯ブラシを放った彼は、私を自分の方へ反転させるとそのまま荒々しく唇を重ねた。
「んんっ…」
お互いの口の歯磨き粉の味に彼の舌使いが合わさってそれは妙なエロさを生んでいた。
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