第50話
紙の上を滑っていたペンが止まる。5年。遠い国。晴都がオーストリアに行って帰って来たのも、5年。私は晴都のことを待ってたわけじゃないけど、忘れたことは一度もなかった。
……誰か1人を考えて曲を作ったことはないけど、仕方ないなー。お礼も兼ねて、“そういうこと”にしておこう。その方が歌いやすいしね。
歌詞を書きながら、浮かんだ旋律も書き留める。明日つきまとはなびに見せよう。きっと驚くに違いない。
気づけばご飯を食べるのも忘れて、作業に没頭していた。
書きなぐった歌詞と、旋律の紙を前に伸びをする。
疲れた。疲れたけど、気持ちのいい疲れだ。久しぶりによく眠れそう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます