第47話
「バラード作ってって言われたんだよね。」
「バラード? 雪月花が?」
こいつマジで全部聴いてるな……。
「うん。でも、書けなくてさ。切ない系で、とか言われても分かんないし。」
「あー……」
「まぁ、そんでメンバーともギスギスしちゃって、喧嘩したし曲はまだ何も書けてないし、……歌えなくなったし。」
「……」
「そんで色々ヤになったわけ。もう音楽辞めよっかなーって。」
言ってて恥ずかしくなってきた。あれ、私の悩みって意外と小さい?
「ぴあのの音楽ってさ──」
黙ってた晴都がそう言い出して、ピクっと身体が震えた。
「全部素直だよな。」
「素直か?」
「だって、歌詞も全部、お前が思ってること書いてるだろ? 嘘とか想像じゃなくて、全部お前から生まれた感情だろ?」
「……そう、かもしれない。」
「それってそのもののお前だから、作品の評価がお前自身の評価に繋がるからあんまり良い事じゃないかもしんねーけど。だからこそお前の音楽に心打たれてる奴もいる。」
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