第46話

「……ん」


「どーも……」




ホットミルクかな。ありがてー。




「……弾く?」


「え、なんで」


「弾きたそーな顔してたから。」


「弾かないよ。自分のピアノの音嫌いだし。」


「俺はぴあのが弾く音好きだったけどな。」


「……なんで?」




あの刺々しい音のどこが?




「お前が弾くピアノって絶対俺に喧嘩売ってたから。毎回音で殴りにきてただろ。清々しいくらい俺を嫌った音が聴いてて気持ちよかった。」


「……マゾヒストなの?」




ちょっと引いたわ。




「そんな趣味ねーよ。」


「いや、今のはある言い方だった。」




それにしても、よく分かったもんだ。




「…………私さー、バンドやってるって言ったじゃん。」


「あー。雪月花が上げてる音源全部聴いてた。」


「え、聴い…………あ、そう。まぁ、そんでさ。インディーズでデビューしないかって話来てさー。」




なんでこの話を晴都にしようと思ったか分からない。なんとなく、話したくなったんだ。

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