第33話

病は気から、って本当にその通りかもしれない。悩みの種が夜な夜な頭を巡って全然寝れないし、最近は食欲もない。心做しか頭も痛い気がする。まぁ、頭が痛いのは風邪か何かでしょ。家に帰ったら薬でも飲もう。



ベースが重い。ここのとこ弾きまくってたから、また店長に弦張り替えてもらおう。ライブで使ったしね。新しいのに替えて、レコーディングまでに慣らしたい。




「よー、ぴあの。って、なんか顔色悪くね?」


「……うるさい。話しかけないで。」




また奥村晴都コイツか。朝から私に精神攻撃を仕掛けるのが日課なのか、ここ最近通学時間が被る。今さらになって友達面して何が楽しいんだか。




「ちゃんと寝てんの? 飯は? 食ってる?」


「あんたは私の母親か何か? 話しかけないでって言ってんでしょ。こっちは色々忙しいんだから。あんただってピアノの公演とかあるんでしょ? 私に構ってる暇無いんじゃない。」


「たしかに公演の仕事はあるけど、公私くらい分けられるし。」




何それ。私が公私混同させてる、プライベートと仕事を分けられない人間だって言いたいの?

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