第76話
2
いきさつを聞いた華菜恋はと言うと……。
證本人を目の前にして、「このような鬼に本当に嫁いで大丈夫なの?」と芽衣胡に詰め寄る。
しかし幸せそうな芽衣胡の表情に納得すると、華菜恋は京都に戻ると言った。
「どうして? 万里小路のお屋敷に帰らないの?」
そう聞く芽衣胡に、華菜恋は乙女の表情を見せる。
「実は
「まあ!!」
「證様とは違ってとてもお優しい方なのよ」
「あら? 證様はとってもとってもお優しいわよ!」
「ふふ、それは芽衣胡にだけね」
同じ顔を寄せ合い鏡のように笑い合うと、華菜恋は膝を證に向けた。
證は姿勢を正す。妹をよろしく頼むとでも言われるのだろうと感じたのだが、華菜恋の目は鋭く證を射てくる。
「證様、芽衣胡を泣かせたら許しませんから!」
「ああ、もちろんだとも」
華菜恋は目の前の男を真っ直ぐ見上げた。目付きはやはり怖いけれど、悪い男ではないと分かっただけ良かったと思う。
そして華菜恋は京都にいる武満の元へ向かった。
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