第80話

パンケーキを食べていると



ガシャン、ドン、ガラガラ、ガンッと色々落ちる音がした。




何事かと思って階段のほうを見たら、少しすると榊が上がってきた。




「理生、うちの店壊さないでよ。」




「悪い。」




榊はいつものように気だるげで余裕のある感じではなく、汗をかきながら息を切らしていた。




きっと走ってここまで来てくれたのだろう。




「はー・・・、スマホの電源は、切らさないように注意してください。繋がらないと心配する。」




私を見ながらそういう彼はいつもとは様子が違った。




心配するなんていつもは言わないのに。




「ごめんなさい。」




私に近づくと両手で私の顔をつかんだ。




「泣いたのか・・・・何があった」




優しく聞いてくる榊のほうを見ながら、また泣きそうになった。

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