第78話

私のことを「お姫様」と呼んだ女性は私の髪の毛をドライヤーで乾かしながら




「何があったの?」と聞いてきた。




でも私は答えることができなかった。




もう、何が辛くて、自分がどうしたらいいかわからないからだ。





髪の毛を乾かし終えたようで、私の頭をなでてきた女性を見上げると、さっきは気が付かなかったが見たことがあった。





「お姉さん・・・どこかで・・・」



あ、あの時だ。




前に榊のことを流歌と一緒につけた時に見た、榊と一緒にいた美人なお姉さんだ。




「私のこと見たことあるの?」




「あ・・・いえ・・・見間違いです・・・」



付けていたことがばれるといけないから、隠すことにした。




「相変わらずね。あなたも。」



その声は、私をずっと知っているような感じだった。

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