第65話

執事は、その後彼女を追うように崖の下に落ちたが、二人は一緒に死ぬことはできなかった。




二人バラバラで死ぬことになっていしまい、それからこの海で指輪を見つけ、指輪に気に入られた人間は一生幸せになれないという言い伝えができたそうだ。




「----っていう話。まあ、よくある言い伝えよね。」




笑いながら言う、流歌とみんなもそんなに怖がっていないようだった。





私をのぞいては




「指輪に気に入られるって?」



恐る恐る聞くと




「自分の身から離しても、どこに置いてきても、自分のそばにいつの間にかあるんだって。そんなことあるはずないのにね。」




流歌は楽しそうに笑った。




待って、待って・・・




てことは・・・・




私のもとにあった指輪って・・もしかして・・・言い伝えの指輪だったり・・・





「そ‥そんな馬鹿な・・・ね・・」



震える私を見て、流歌は笑った。




「そんなに怖かったの?一緒に寝てあげようか」




冗談そうに言った流歌の腕をつかみ




「一緒に寝よう!そうしよう!うん!!それしかない」



食い気味で言う私に引き気味に「しょうがないなぁ」と流歌は言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る