第51話
いったん榊と離れると、浩一の場所まで行った。
「浩一、お誕生日おめでとうございます。」
私のほうを見て浩一は私に近づいてきた。
「ありがとう、姉さん。」
151センチの私から浩一を見たらだいぶ身長差があり、いつの間にこんなに差が開いたのだろうと思った。
「よく、浩一は優秀って聞くわ。後継ぎとして大変だと思うけど、これからも頑張ってね。」
「ああ、姉さんと違ってこっちは気苦労が多いんだよ。姉さんは病弱ってだけで、楽してるもんな。たまには父さんや母さんを満足させるようなことをしたら?姉さんがそんなんで情けないよ俺」
「うん、ごめんね。」
見下すような浩一の視線はいつからこんな冷たいものになったのだろうと思った。
私がもっとちゃんとした人間だったらこんなに疎まれることはなかったかもしれない。
「じゃあ、私はあいさつ回りに行ってくるから。」
「じゃあ」
浩一は私にそう言うと、ほかの人と談笑を始めた。
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