第50話
会場は大きなホテルの最上階。
このホテルはお父様が経営しているホテルの一つだ。
「やっぱり、規模が大きいね。榊。」
「そうですね。」
榊はまるで興味がなさそうに答えた。さすがに会場の近くでタバコを吸うわけにはいかないのかヘビースモーカーである榊も今日という日はタバコを口にしていなかった。
「榊は一緒に来てくれるの?」
「俺は専属執事なんで。お嬢様が変なことしないか見張らないといけないからついていきますよ。」
「変なことなんてしないっつーの。」
そんなことを言いながらも少し心強かった。
最上階まで向かうともう多くの人が会場に入っていた。
私は学校から帰ってきてから支度をして向かってきたが、それよりも早くついている人は多くいるのだろう。
「とりあえず、主役に挨拶に行かないとね。榊はそこで待ってて。」
弟の姿は思ったよりも早く見つかり、弟のもとへ向かうことにした。
「わかりました。飲み物を取ってくるので、ウーロン茶でいいですか。」
「うん。ありがとう。」
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