第44話
ベッドに横になり目をつむっていると
少ししてノックが3回聞こえた。
扉が開くと榊がいて「帰ってきたんだな」なんてのんきに思った。
「どうした?体調が悪くなったのか。」
と声をかけてくる。
「うん。そうみたい。」
というと私のおでこに手を置いた。「少し熱いな。」という言葉に、微熱があるのかななんて考えた。
「馬鹿は風邪ひかないっていうのは迷信だな。」
そうやって榊は優しく笑った。
「もう、うるさい。」
そういいながらも私はいつもみたいに「クビにしてやる」とは言えなかった。
彼を開放しなければいけないと思いながらも、私はいつまでも話すことができないずるい奴だから。
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