第45話

榊は私が風邪をひいたり、元気がなかったりすると急に優しくなる。





悪態をつきながらも、目は優しいし、ずっとそばについていてくれる。




「さかき・・ごめんね・・」




不思議そうに私のほうを見た。




「何がですか」




「ううん、何でもない。ちょっと寝るね。お休み。」



そういいながら私は目を閉じた。








約束を思い出さなかったら、ずっと今まで通りいれたのかな?




知らないふりをしたら、ずっとそばにいてもらえたのかな?




私は自分のことばかりでまるで榊のことを考えていなかったね。





優しい榊はそうやって私に縛られてしまう。




ごめんね、榊。




でも、きっと私は解放してあげるから。




もうちょっと待って。



もう少しだけ、私のそばにいて。

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