第38話

「気になるね、沙妃。」




「うん、気になる。」




「知りたいよね~」




「まあね~それなりに?」




一限目の授業のノートを確認しながら流歌の話にこたえていた。




「よし、授業さぼって、何してるか見に行こうよ!」




「そうだね・・・って・・・は?」




「だから、学校から抜け出して探しに行こうよ。」





「いやいや、先生にばれたら怒られるどころじゃないし。お父様の耳に入ったら何て言われるか。」




「大丈夫よ。沙妃は優等生で先生からの信頼も厚いから!それにさぼり魔の私が、絶対にばれないようにしてあげるから!」





こういう時の流歌はだめだ。私は絶対に断ることができない。





だってすごく楽しそうなんだもん。




私を使って遊ぼうとしているときの目だ。





「よし、あんたは私に従ってね。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る