第12話

ノックをして「入りなさい」と言われたから「失礼します。」といい、書斎に入る。




この部屋の重苦しい感じも嫌いだ。




「学校はどうだ?」





「何事もないです。」




「成績については、優秀であると報告は来ている。ここに呼んだのは、先日のバイオリンの大会についてだ。」




しまった。と思った。2週間ほど前にあったバイオリンの大会で私は優勝出来なかったのだ。準優勝という成績で、終わってしまったことを思い出した。





言い訳になってしまうが、あの日は熱が出てしまって、大会が終わったあとに熱で倒れてしまうくらい体調が悪かった。




でも、父にとってはそんなことは関係ない。結果が全てだ。




父は椅子から立ち上がると私の側まで来て、手を振りかざした。






バシッという音が鳴り響き、私は倒れた。




頬を抑えるとこぼれ出しそうな涙を必死に止めた。





「お前は女なのだから。跡継ぎになれない分他で補いなさい。結果を納めなければお前はここにいる意味はない。」





「はい……お父様……」

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