第11話

わたしが女だからだ。




私には弟がいて、弟はそれなりに可愛がられているが、跡継ぎ候補にすら入ることの出来ない私は父から嫌われている。




お母様も、私のことが好きではない。




好きではない人との間の子供は可愛いと思えないのだろう。男を産めばとりあえず役目は果たせたのに、一回目に生まれたのが私だったから心底落胆したらしい。




そのため、私は執事やメイドなどに育てられたようなものだ。




お父様がや、お母様と遊びに行ったことはない。




「それにしても急ね。」




「そうですね。」




榊はいつも通り面倒くさそうに運転をしている。




家に着くと、メイドが待っていた。




「おかえりなさいませ。お嬢様。旦那様が書斎にてお待ちです。」




「分かった。着替えたら向かうわ。」




気が重いと思いながら、着替えを終えると書斎に向かった。

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