第5話

「お待たせ榊!急いで急いで!!時間ないのよ」





「あ~・・・安全運転で向かいますね。」




「急げって言ってるでしょ!!!」




私が来たというのにタバコを止めないのはむかつくが、この人はいつもそうだからしょうがない。




もう諦めるしかなないのだ。




車の中の音楽は絶対に私が好きそうな最近の曲は流してくれなくて、よくわからない洋楽を流すし、タバコをやめろって言っても絶対にやめない。




私の言うことを絶対に聞かないのだ。




「つきましたよ。」



どうにか遅刻をすることは回避できそうで安心をした。







榊は車から出ると車のドアを開け、私に手を差し伸べた。




その手に手を置き車から出ると、周りからは羨望のまなざしが贈られる。




「行ってらっしゃいませ。沙妃お嬢様。」




「ええ・・ありがとう。」



こいつは、私の前でだけ口が悪い。



他ではいつもこうだ。

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