シンジツ
第68話
私は烈火の背に乗り、宙を舞っていた。
前方には覇月さんが満面の笑みを浮かべていて、それをみた烈火は何だか眉間にしわを寄せていた。
何もわからない私は理解しきれていない。
「オイ。覇月!話が違うじゃないか!」
「え。何のことだい?」
覇月さんは不自然に口笛を吹いている。
「やっぱりこいつはただの人間じゃないか!」
ただの人間ってただの人間の何が悪い!
私は不満を感じ、烈火の耳を引っ張った。
「何する!痛いじゃないか!」
「べっつにー。ただの人間で悪かったわね」
ぷいっと横を向いた。
烈火と私のやりとりをみた覇月さんは吹き出した。
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