第51話

「は?お前、何を言ってる?」



「全部あなたたちのせいだったんでしょ。お母さんが死んだのも。私が、奇妙な目にあってるのも」




事実、私はあの図書館に足を運んでから妙なことに巻き込まれるばかり。



お母さんたちは死。



兄には残酷なことを告げられ。



こんな人たちとあい、妖怪に取り憑かれたり、襲われる。



こないだまでは普通の人生を送っていたのだ。



こんな目に遭うのはすべてこの人たちのせいに違いないのだ。



じゃなきゃこんな危ない目に遭うはずがない。



こんなに悲しい思いをするはずがない。



本当なら今頃、嬉しい誕生日を迎えていたはずなのだから。



悔しく、悲しく、涙しか出ない。




「全部、俺たちのせいだって言うのか」




睨まれる。



当然だろう。すべてを人に罪をなすりつけ散々なことを言ったのだから。



しかし、誰かのせいにしていないとダメなのだ。



心身ボロボロなのだから。




「えっ」




分かっていても言い返されるだけでドキリとしてしまう。

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