新世界

知りたいのなら知ればいい

第50話

「あなたが…………私の兄…………?」




自分の耳を疑った。



私の兄?



そんなわけない。



こんな奇天烈な力を持つ兄なんているわけがない。



それに、こんな美形な兄だなんて。




「………なーんてね、嘘。冗談だよ。結の顔を見たら意地悪したくなっちゃったんだ。困らせてごめんよ?」




軽くウィンクをした。



は?嘘?



全部デタラメだと言うの?



私はずっと悩んでたのよ。



なのにこんな子供だましな嘘をつかれて軽く流せるわけがない。



私は覇月と呼ばれる青年を引っぱたいた。



静かにピアスが揺れる。




「………………」



「ホラ、言わんこっちゃない…………」




ため息をつく赤髪から黒髪に変える少年。



私は睨みつけた。




「あなたたちのせいだったのね」

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