第47話

悪霊は苦しんでいる。




「烈火にしては粘った方なんじゃない?人間嫌いなのにね♪」




ジャラと金属とぶつかる鈴の音。



法力を宿す杖を持つ青年。



髪は黒く、着物を纏う不思議な青年。




「覇月!!」




少年は彼を覇月と呼ぶ。




「てめぇ、いつからいたよ?」



「んー。だいぶ前にいたかな?悪霊になってるあたりで?」



「まあ、あとの仕事はこの僕、陰陽師一族、覇月に任せなさい!」




自信満々に杖を振り回す青年は彼が認めてしまうほど、強いのだろうか。




「結。君にしては頑張ったね」




覇月という青年は私を讃えた。



え、。この人、私を知っている?



会ったばかりなのになぜ私の名前を。



困惑し目が離せなかった。



彼が宿す神に値する力を。

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