第43話

『まずい。人間が近付いたら…………』




「結。何してんだ。みっともないからヤメロよ。恥ずかしいだろ。ただでさえ、お前と兄妹だなんて思われたくないのに」




悪霊は結との複雑な家族関係が似ていた。



両親に捨てられ兄や姉にも相手にしてもらえなかった。



悪霊は父親と不倫相手の間に出来た子供だったのだ。



いらない存在として扱われ続けたのだ。



死んだ原因である火事ではいらない存在だったから死んでしまったのだ。




「お前らみたいなのがいるから…………」




ブツブツと呪いの言葉のように呟き、強大な力で圭介を吹き飛ばした。



当然、人間の圭介は気を失う。

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