「クソ…………人間は嫌いだけど、その女を見殺しにするわけにはいかないんだよ」

男の子はあることを思い出す。

通常、除霊や悪霊を対処するのは陰陽師の役目。

四神一族には除霊はできないのだ。

しかし、方法がある。

それは、生身の人間を傷つけず、霊の魂だけを掴み四神一族特有の技で対処すること。

「そいつから出ていけ。さもなければ、お前をコロス。生まれ変われなくするぞ。これ以上、力を使いたくはなかったが…………」

男の子は朱雀姿から一変し、人間に近い姿をした。

しかし、それは変化した状態。

赤髪に赤い瞳。

炎に包まれ姿を現したのは長い宝剣。

「出てきやがれ！」

宝剣で身体を突き刺す。

この宝剣は魔法で人間に害しないものに変えられているため、結の身体も結自身に決して害はない。

熱した宝剣で爆音とともに砂ぼこりが舞う。

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