第45話
「今日もいっぱい描いてたかあ?」
「たっくさん描いたよーっ! 見て見て! これね、そこの植木鉢を見ながら描いてみたの!」
「うまいなあ〜いろは。絵描きさんになれるんじゃないのか?」
「ウソぉ、これいろはが描いたの? すごいわあ! 額縁買って飾らなきゃ!」
父と母が仕事から帰ってくるなり、絵を広げて見せびらかした。
すると二人はとびきりの笑顔を落としてくれるから、ああ、笑顔になってくれた、描いてよかったってホッとする。
もっとうまくなって綺麗な風景画を描けるようになるんだ、と強い目標を抱いていたのもその頃だ。
──そしていつか、父と母が大好きな日光の絵を、私が描いてみせてやりたい。
"だったらさ、にっこうを描けばいいんじゃない?"
そう。
このアイデアをくれたのは……、誰だったっけ。
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