第26話

なにが"ずっと見てる"、だ。


よくよく考えたら、一方的に見られているだなんてとても気持ち悪いことじゃない。




あーあ、せっかく学校をサボったというのに、変な人に出会ってしまった。


中身のない毎日の中で、心の隙間を埋めてくれるような出来事を期待した。燃え尽き症候群ではないけれど、日々の活力を得たいと思って、日光に行くことを決めたのだ。



旅をするきっかけってそんなものだと思う。


新しいものに触れて、自分の中を埋めていく。





──ハルナさん。


やっぱり知らない名前だった。


女だか男だか分からない中性的な名前は、何処と無くミステリアスな彼にあっているとは思うけれども。





いや、ううん、こんな人は別にまともに相手にしなくてもいいんだから。

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