第27話

リュックから取り出したのは私の日記だ。



小説でも持ってきていたらよかったな、と後悔しながら手持ち無沙汰に日記を読み返すことにした。




と、いうのも私には、夜に1日の振り返りをする習慣がある。


特に意味はないけど、昔からの癖で書き続けていて、それを今も継続していることを自慢に思っている。



特に誰に見せるわけでもないただの自己満足の日記。


大した内容は書いていないけど、その月にやりたいことなどを明確化して、ちゃんとできていたかを振り返るのは大切だ。




4月のページを開いた。







──2014年4月7日。月曜日。


"始業式早々遅刻する。本当に最悪だ。どうして起こしてくれなかったのか後で文句言ってやる"






なんだっけ、これ。



この日になにかあったかなと考えて……、


ああ、そうだ。




その日派手に遅刻をかました私は、始業式がすでにはじまっている講堂に遅れて混ざったんだった。


校長先生の話が始まったところだったから、こっそり最後尾に並んだのだ。



担任からはその後怒られた。




早起きが苦手だからよく遅刻しそうになるんだよね。


まさか始業式の日に堂々とやらかすとは思ってもみなかった。







すると、開いていたページの端っこに黒いヒゲを生やしたおじさんのようなものの落書きがされていることに気づく。


こめかみから顎にかけてもっさり毛が生えているが、頭がツルツルになっている。




お世辞にも可愛い仕上がりだとは言えないお粗末な絵。


こんなもの、いつ描いたっけ?

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